粘弾性流体中を伝播するせん断波の可視化による粘弾性計測

概要

ひも状ミセル水溶液は粘弾性をもち,流体中で平板を面内で振動させると,せん断波が発生する.振動平板から発生したせん断波は,減衰しながら流体中を伝播していく.トレーサ粒子を混入して可視化した流れの動画像から,粒子画像流速計測によって速度波形を観測し,波長と減衰比を調べて,粘弾性流体中での波動伝播の理論を用いてレオロジー特性を算出した.この手法は,従来のレオメータによる測定とは異なる原理に基づいており,レオメータでは不可能な高い周波数域での粘弾性測定を可能にした点で画期的であり,比較的高い周波数領域での貯蔵弾性率と損失弾性率を算出することができた(図1).また,せん断波が発生している流体中に円偏光の光を透過させると,ミセルの配向状態に応じて,透過光の偏光状態が変化する.偏光状態をリアルタイムで全視野計測することが可能な偏光イメージングカメラを用いて透過光の偏光状態を撮影し,粘弾性流体中をせん断波が伝播するようすを可視化して捉えることができた(図2).

図1 CTAB/NaSal水溶液の貯蔵弾性率と損失弾性率.
本手法によって,比較的高い周波数領域の測定値が得られた.

 

図2 20Hzで上下に振動する平板から発生したせん断波の可視化.
明るい線は,偏光状態の変化が大きい部分に相当し,せん断波の等位相面を表す.

 

リンク

山本 将寛, 三神 史彦, ひも状ミセル水溶液中を伝播するせん断波の可視化による粘弾性計測, 日本機械学会論文集, Vol. 81 (2015), No. 823 p.14-00610
DOI: 10.1299/transjsme.14-00610

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